有利子負債月商比率とは
有利子負債月商比率とは、有利子負債が月商の何か月分あるか示す指標です。有利子負債月商倍率という言い方もされます。安全性分析の指標です。
有利子負債月商比率とは、ある時点(通常は決算日)において、会社が月商の何か月分の有利子負債(主に銀行借入)を抱えているか示す指標です。有利子負債月商倍率という言い方もされます。
有利子負債月商比率に関する詳しい解説 |
有利子負債月商比率の意味
中小零細企業は大企業と比較して信用力がないため資金繰りに苦労しがちです。そのため銀行借入が多くなりがちですがどの程度まで借入を増やしても大丈夫なのかという目安のために使われるのがこの有利子負債月商比率です。
税理士事務所が中小零細企業に経営指導を行う際に使われることが多いです。
有利子負債は月商の3ヶ月以内であれば毎月の借入金の返済負担はそれほどではありません。しかし、月商の3ヶ月を超え6ヶ月くらいになってくると借入金の返済で資金繰り的にかなり困難になってきます。
したがって、銀行から資金借入をする場合には月商の3ヶ月程度に抑えておくのが一般的には無難であるといわれます。
3ヶ月以内はあくまで一般論
有利子負債月商比率は一般的に3ヶ月以内が目安だと言われます。しかしこれはあくまで一般論であるため3ヶ月を超えているから問題があるということは全くないです。統計的にも業種等によって有利子負債月商比率の安全ラインは異なります。
また、基本的に借入金の返済は利益が原資となりますので利益率が高い業種であれば借入金が多くても全く問題はないです。また信用力が高く自由に資金調達が可能な大企業等である場合にもいちいち有利子負債月商比率を気にする必要など全くないです。
自己資本比率と有利子負債月商比率は連動する
在庫も売掛金も持たないコンサル業のような特殊な業態を除いて総資産回転率は通常ほとんどの会社が1倍程度になります。仮に総資産回転率1倍だとすると総資産2,000万円の会社の売上高は2,000万円です。そして自己資本比率50%程度が安全性の面から理想だと考えると負債は1,000万円となります。負債1,000万円のうち有利子負債がかなり多めに600万円ないし700万円くらいあると仮定するとこの場合の有利子負債月商比率は600万円/2,000万円÷12で3.6ヶ月となります。
つまり、中小零細企業が自己資本比率50%の安全ラインを目指すとだいたい有利子負債月商比率は3ヶ月程度に収束します。これが有利子負債月商比率の安全ライン3ヶ月以内の根拠となります。