安全性分析

仕入債務回転期間

2023年8月8日

仕入債務回転期間とは

仕入債務回転期間とは商品を買掛金や支払手形などで仕入れてから実際に現金等で支払うするまでにかかる期間をいいます。買入債務回転期間とも呼ばれますが同じものです。仕入債務回転期間の算式は次の通りです。

仕入債務回転期間

ちなみに平均月売上原価は売上原価÷12で求めます。

仕入債権回転期間のアレンジ

売上債権回転期間と全く同じで分母と分子を少しアレンジする計算方法もあります。内容は同じですので興味ある方は売上債権回転期間のページをご覧ください。

分母を平均日商にするとより厳密

分子を加重平均するとより厳密

仕入債務回転期間は長ければ長いほど良いわけではない

売上債権回転期間期間が短かければ短いほど売上高をより早く現金化できていることを意味するため良いとされます。ということは、仕入債務回転期間は売上債権回転期間の逆なので理論的には期間が長ければ長いほど資金繰り的には有利になります。したがって長ければ長いほど良いといいたいところですが、そうでもなく、仕入先に資金繰りの負担を押し付けているだけですので長すぎるのもあまりよろしくないです。

仕入債務の支払期間の定量化の指標

個人的には仕入債務回転期間の指標は、仕入債務の支払までの期間を定量化して運転資本の管理に役立てるための指標だと思っています。

運転資本の管理とは

通常の会社の仕入債務の支払期間は1月か2月くらいです。仮に2月として、仕入債務の平均残高が1億円だとすると、1億円×2の2億円分、運転資本がプラスになっています。

しかし売上債権の平均残高1.5億円で現金化の期間が2月だとすると、1.5億×2の3億円分、運転資本がマイナスですので、仕入債務でプラスになっている運転資本と合わせてマイナス1億円運転資本として経常的にこの会社は資金不足になります。

したがって1億円銀行から運転資本の融資を受けましょうといった感じです。

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