財務会計

期間損益計算と全体損益計算

2023年8月13日

統計的に企業の存続期間は平均すると20年ほどのようです。しかし、会計学において企業は半永久的に継続するものと仮定し、その半永久的に継続する全存続期間を人為的に区切って、その区切られた期間ごとに損益計算を行うこととしています。これが期間損益計算です。

期間損益計算の意義

企業は営利を目的として設立された経済主体であり、さまざまな経済活動を営んでいます。その経済活動の結果獲得された利益を算定する損益計算は企業会計の中心的課題であり最も重要な意義を持っています。

そして損益計算の仕組みには期間損益計算全体損益計算があります。

損益計算の仕組み

  • 全体損益計算
  • 期間損益計算

全体損益計算とは、大航海時代のように航海ごとに儲けを計算してそれを山分けするというような仕組みがあてはまり、かつては損益計算の方式はこちらがメインでした。しかし今日において企業会計は全て期間損益計算が採用されています。制度会計のディスクロージャー制度の要請という側面もありますが、そのほうがいろいろとメリットが大きいからです。

期間損益計算のメリット

期間損益計算は人為的に区切られた一定の期間ごとに損益計算を行う仕組みですが、いったんこれを採用すると二度と全体損益計算には戻れないくらいメリットがあります。

  • いくら儲かったのかが毎年判明する
  • 毎年儲けが判明するため出資者である株主に対する分配も毎年行える
  • 毎年業績が判明するので管理がしやすい
  • 会社を清算するまで儲けが分からない全体損益計算は不便すぎる

会計期間

ちなみに、決算を締める単位を会計期間といいます。会社の事業年度は通常毎年決まった日から始まって決まった日に終了する1年ですが、会計期間は半期や四半期等で設定することが可能です。

したがって例えば会計期間を四半期に設定している会社は毎年3月ごとに財務諸表を作成して会計情報の報告などを行います。

適時開示

もともと損益計算は全体損益計算が当たり前でしたがそれが期間損益計算へと進化して、さらに現在においては四半期報告、さらに決算期後30日程度で会計情報を公開する決算短信という制度があるなど、会計報告の適時開示はどんどん進化しています。

継続企業の公準

ちなみに、企業は半永久的に継続するという仮定は継続企業の公準と呼ばれているものです。特にどこかに明文で規定されたルールではないですが、会計計算の大前提です。

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