仕入債務回転期間とは
仕入債務回転期間とは商品を買掛金や支払手形などで仕入れてから実際に現金等で支払うするまでにかかる期間をいいます。買入債務回転期間とも呼ばれますが同じものです。仕入債務回転期間の算式は次の通りです。
ちなみに平均月売上原価は売上原価÷12で求めます。
仕入債権回転期間のアレンジ
売上債権回転期間と全く同じで分母と分子を少しアレンジする計算方法もあります。内容は同じですので興味ある方は売上債権回転期間のページをご覧ください。
分母を平均日商にするとより厳密
仕入債務回転期間は何か月分かという月数で計算するのが一般的ですが、何日分かという日数で示すとより厳密です。その場合には平均月売上原価ではなく平均日売上原価を使って計算します。平均日売上原価は売上原価÷365で求めます。
分子を加重平均するとさらにより厳密
仕入債務回転期間の計算に際しては仕入債務の期末残高を使用するのが一般的です。しかしより厳密な計算方法として期首残高と期末残高を足して2で除した金額(加重平均した金額)を使用する方法もあります。この場合さらにより厳密になります。
仕入債務回転期間は長ければ長いほど良いわけではない
売上債権回転期間は期間が短かければ短いほど売上高をより早く現金化できていることを意味するため良いとされます。ということは、仕入債務回転期間は売上債権回転期間の逆なので理論的には期間が長ければ長いほど資金繰り的には有利になります。したがって長ければ長いほど良いといいたいところですが、そうでもないです。過度に長すぎるのは仕入先に資金繰りの負担を押し付けているに過ぎませんですので長すぎるのもあまりよろしくないです。
仕入債務の支払期間の定量化の指標
個人的には仕入債務回転期間の指標は、仕入債務の支払までの期間を定量化して運転資本の管理に役立てるための指標だと思っています。
運転資本の管理とは
通常の会社の仕入債務の支払期間は1月か2月くらいです。仮に2月として、仕入債務の平均残高が1億円だとすると、1億円×2の2億円分、運転資本がプラスになっています。
しかし売上債権の平均残高1.5億円で現金化の期間が2月だとすると、1.5億×2の3億円分、運転資本がマイナスですので、仕入債務でプラスになっている運転資本と合わせてマイナス1億円運転資本として経常的にこの会社は資金不足になります。
したがって1億円銀行から運転資本の融資を受けましょうといった感じです。