総資産回転率
総資産回転率とは、事業に投資した総資産がどれだけ有効に活用されたかを示す指標です。総資産回転率の算式は次のとおりです。
総資産回転率はAsset Turnover Ratioないしは日本語直訳っぽいですがTotal Asset Turnoverと英語表記されます。Asset Turnover もしくはAsset Turnover Ratioのほうが英語的でスマートです。
Turnoverの意味合い
Turnoverという英単語の意味合いとしてはぐるぐる回る回転ではなく、反転して飛び越える、入れ替わるといった意味あいのほうが強いです。
したがって、Turnover Ratioは日本語では回転率と訳されていますが、少々本来の意味とは異なります。
そして売上高のことをTurnoverと呼んだりします。国によってはそうではなく従業員の入れ替えのことをTurnoverを呼ぶなどといった記述も見かけましたが少々謎です。
Turnover Ratioは重要
回転率(Turnover Ratio)に関する財務分析指標は日本では比較的軽視されている印象がありますが、海外ではかなり重視されます。
利益率Margin×回転Turnover=利益Profitとなることを考えると至極妥当ですが。
総資産回転率の意味
総資産回転率は売上高を総資産で除して求めます。この算式の意味あいですが総資産回転率を既に学習したことがある人からしてもかなり分かりづらいのではないかと思います。冷静に考えると回転ということならば算式の分母は総資産ではなく棚卸資産のほうがしっくりくるはずだからです。
しかし総資産回転率は分母を総資産として計算します。
これはなぜかといいますと、事業に投下されている全資産が直接的に売上獲得に貢献するものと仮定して、売上高が総資産の何倍あるかにより企業が調達した資本の活用度合いを示そうとしているのです。
つまり回転率という名称になっていますが、本来のニュアンス的には回転というよりは倍数を示しているんだろうと思います。
サンプル問題
それでは実際に総資産回転率を計算してみましょう。
答え合わせ
10000/3430*100=291.54%