インタレスト・カバレッジ・レシオとは
- インタレスト・カバレッジ・レシオとは、利息を差し引く前の利益と借入金利息を比較したもの。
- どれだけ容易に借入金利息を支払えているかを示す。
- 倍率が高いほど余裕があることを意味する。
- インタレスト・カバレッジ・レシオはInterest Coverage Ratioと英語表記。
- インタレスト・カバレッジ・レシオの算式は次のとおり。
インタレスト・カバレッジ・レシオの分子
なお、インタレスト・カバレッジ・レシオを計算する際、分子を営業利益とする方法と分子をEBITとする方法、2種類の計算方法があります。
詳細は別の記事でまとめましたが、結論的には日本の損益計算書を使ってインタレスト・カバレッジ・レシオを計算する際には当サイトで紹介しているように営業利益を使いましょう。
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インタレスト・カバレッジ・レシオの分子の利益
インタレスト・カバレッジ・レシオの基本算式 インタレスト・カバレッジ・レシオの基本算式は次のとおりです。我が国においては分子の利益は営業利益を使う方法が一般的です。しかしアメリカではEBITを使います ...
インタレスト・カバレッジ・レシオの目安
インタレスト・カバレッジ・レシオは、営業利益を支払利息で除したものです。
したがって、は高ければ高いほど安全性が高いです。
また同時に収益性の高さも示唆しています。したがってインタレスト・カバレッジ・レシオを安全性分析であると同時に収益性分析の指標である。
1倍以下はもうかなりヤバい
インタレスト・カバレッジ・レシオが1倍以下である場合は、つまり営業利益より支払利息が多いことを意味します。
説明不要レベルでかなりヤバい状況であるといえます。
2倍以上が適正値
インタレスト・カバレッジ・レシオは一般的には2倍以上が適正値だといわれますが、正直ちょっとどうかと思います。借入金の元本部分の返済も考えると2倍程度では資金繰りがかなり苦しいはずです。
5-6倍あってようやく少し安心
したがって、3-5倍あるのが理想だといえます。
受取利息や受取配当金が経常的に発生している会社の場合
なお、上場企業に多いですが、会社によっては子会社や関連会社株式を所有している場合、余剰資金を有価証券に投資して運用して儲けている会社などあります。
こういった会社の場合、受取利息や受取配当金がかなり大きな金額で発生しますが、これらは毎期経常的に発生することからは借入金利息などを支払う原資になりえます。
したがってインタレスト・カバレッジ・レシオの算式において営業利益に含めて計算を行います。
ここまでのところを損益計算書における位置関係から考えてみると次のとおりです。
経常利益が正常なら問題ない
ここで気づいた方は気づいたのではないかと思いますが、インタレスト・カバレッジ・レシオは経常利益が正常に発生していれば必然的に高くなります。
安全性の判断のためにわざわざインタレスト・カバレッジ・レシオを計算するということは通常はあまり行わないです。計算しなくても経常利益を見れば分かるので意味がないからです。
ただし、インタレスト・カバレッジ・レシオを長期的に分析すると比率が安定しているか低下しているかにより、その会社の短期的な健全性を評価することはできそうです。
サンプル問題
それでは実際にインタレスト・カバレッジ・レシオを計算してみましょう。
答え合わせ
2000/500=4倍