預金は、会社が銀行などの金融機関に預けているお金のことです。この記事では、預金の種類と会計処理、貸借対照表での表示、キャッシュフロー計算書の資金との関係、会社がよく使う当座預金と当座貸越の仕組みを解説します。
この記事のポイント
- 預金には普通預金・当座預金・定期預金・通知預金などの種類がある
- 決算日から1年を超える定期預金は固定資産(長期性預金)に区分される
- 当座貸越は当座預金の残高を超えて引き出した状態で、決算時は借入金として表示する
預金とは
預金とは、会社が銀行などの金融機関に開設した口座に預けているお金のことです。当座預金、普通預金、定期預金など、さまざまな種類があります。
預金の種類
預金には主に次のような種類があります。簿記の勘定科目名は、「当座預金」「普通預金」など、会社が分かりやすいように設定できます。
- 当座預金
- 普通預金
- 通知預金
- 納税準備預金
- 定期預金
- 定期積金・積立預金など
口座ごとに補助科目を設定する
会計ソフトを使っている場合は、預金口座ごとに補助科目を設定するのが一般的です。決算のときには、補助科目ごとの残高を、銀行の残高証明書や通帳と照合します。
なお、当座預金では、振り出した小切手がまだ銀行に持ち込まれていない(未取付小切手)などの理由で、帳簿と銀行の残高が一致しないことがあります。その場合は、銀行勘定調整表を作って差異の原因を確認します。
預金口座の名義
法人の預金口座は、通常「株式会社〇〇 代表取締役〇〇」のように、会社名と代表者名で開設されますが、預金の持ち主(名義人)はあくまで会社です。代表者が交代したときは、銀行で代表者の変更手続きが必要です。
個人事業主や同族会社では注意が必要ですが、社長個人の名義で開設した預金口座は、会社の資産である預金には当たりません。
貸借対照表での表示
会計ソフトで口座ごとに補助科目を設定していても、貸借対照表では、すべてを「現金及び預金」としてまとめて表示するのが一般的です。
長期性預金
預金のうち、満期日が決算日の翌日から1年を超えて到来する定期預金などは、1年基準により、貸借対照表の固定資産(投資その他の資産)に「長期性預金」「長期定期預金」などの名前で表示します。ただし、金額の重要性が低い場合は、流動資産に含めて表示することも認められます。
預金とキャッシュフロー計算書の資金
キャッシュフロー計算書の資金(現金及び現金同等物)には、当座預金や普通預金、通知預金など、いつでも引き出せる預金(要求払預金)が含まれます。
定期預金は、取得日から満期日(または償還日)までの期間が3か月以内のものが現金同等物として資金に含まれます。3か月を超える定期預金は、貸借対照表の「現金及び預金」には含まれていても、キャッシュフロー計算書の資金には含まれない点に注意しましょう。
当座預金とは
個人が銀行に口座を開く場合は普通預金が一般的ですが、会社は当座預金口座を開設することがよくあります。
当座預金は、普通預金と違って利息は付きませんが、小切手や手形を振り出すことができ、当座貸越契約を結べるといった特徴があるためです。
当座貸越とは
当座貸越とは、銀行とあらかじめ当座貸越契約を結んでおくと、契約で決めた限度額の範囲内であれば、口座の残高が足りなくても支払いができる仕組みです。
残高はマイナスになりますが、そのマイナス分は銀行からの借入(当座借越)として扱われ、決算では短期借入金などとして処理します。
手形の不渡りを防ぐ手段になる
会社では、得意先からの入金が遅れたり、メインの口座から決済用の口座への資金移動が遅れたりして、一時的に預金残高が足りなくなることがあります。
そのような単なる手違いでも、手形や小切手が不渡りになってしまうと、事業が順調でも信用を失い、不渡りを6か月以内に2回出すと銀行取引停止処分を受けて、事実上の倒産につながります。当座貸越契約は、こうしたリスクを避ける手段として有効です。
預金に関するよくある質問
Q. 当座預金の特徴は?
小切手や手形の支払いに使う無利息の預金です。決済用預金として預金保険で全額保護されます。
Q. 定期預金は流動資産ですか?
満期が決算日から1年以内なら流動資産、1年を超えるなら固定資産(投資その他の資産)に区分します。
Q. 当座貸越とは?
銀行と契約を結び、当座預金の残高を超えて一定額まで支払いができる仕組みです。実質的には銀行からの借入です。