配当性向
配当性向とは、当期純利益に対してどの程度配当を行っているかを示した指標です。配当性向の算式は次のとおりです。
EPSを使わない場合は次の通りです。
なお、通常配当金というのは当期純利益が原資となります。したがって通常、配当性向が100%を超えることはないです。
Payout:払い戻し
Payout RatioのPayoutには支払い、払い戻しといった意味があります。例えば保険の払い戻し、出資金に対する払い戻し(配当金)、あとは万馬券の払い戻しなど。
Payout Periodとなると払戻期間、回収期間となり財務分析でもよく出てくる単語になります。
配当性向が100%を超える場合がある
しかし配当性向が100%を超えてしまう会社は日本だとそこそこあります。それは日本企業の場合、業績に関わらず一株当たりの配当金を一定額に設定している会社が多く、リストラなどにより当期純利益が通常期より減少すると一株当たりの配当金が一株当たりの当期純利益より一時的に大きくなってしまうことがあるためです。
- 配当性向の20〜50%を目安にして配当額を決定する会社が多い
- 日本企業は配当性向を30%前後に設定している会社が多い
配当性向と内部留保の関係
当期純利益に対してどれだけの配当をしているのかを割合に示したのが配当性向ですが、逆に、当期純利益のうち配当金に回さない部分が内部留保となります。
ちなみに、内部留保の指標は内部留保率と呼ばれます。内部留保率が高ければ高いほど、配当性向は低くなります。
貸借対照表のサンプル
当期純利益のうち、株主に配当として還元しなかった内部留保は留保利益として利益剰余金を構成して翌期以降の貸借対照表の純資産の部を構成します。
つまり、配当として株主に還元せず内部留保を増やすと自己資本比率が向上します。
高配当がよいとは限らない
つまり、株主として考えてみると沢山配当金として還元されるのはありがたいことですが、だからといって会社が倒産してしまっては株式が紙切れになってしまい大損となります。適度に内部留保を行って健全な経営状態を維持しつつ高配当を実現してくれる会社が投資先として考えた場合ベストとなります。