日本の損益計算書はProfit and loss statementと英語表記されますが、国際会計基準IFRSやアメリカ会計基準US-GAAPで公表される損益計算書はIncome Statementという表記で統一されています。したがって世界的にはIncome Statementと表記するのが現在は主流であるはずです。
PLはイギリスにおける呼び方?
ちなみに、日本語のページで調べてみたところ、Profit and loss statementはイギリスなどの国における呼び方であり、Income Statementはアメリカなどの国の呼び方であるという記述を見つけました。
しかし、英語で検索する限り、アメリカにおいてもProfit and loss statementという名称で損益計算書として普通に理解されているようで、結論的にはどちらでも通用しているようです。単語のニュアンスからも理解できるはずです。
ただし外部報告用の損益計算書のタイトルはIncome Statementで統一されているようです。
それぞれのニュアンス
個人的見解として、Profit and loss statementはニュアンス的に総収益と総費用を表示し利益を差し引き計算する報告書という印象があります。
Income Statementの場合にはニュアンス的に計算上の利益を表示する報告書という印象があります。
参考
ちなみにIncomeには収入や所得というような意味あいがあります。所得税がIncome Taxです。
企業会計原則は包括主義を採用
企業会計原則は「全ての収益とそれに対応する全ての費用を記載して」や「経常利益に特別損益を加減して」という部分から包括主義損益計算書を採用しているとされます。
損益計算書原則一、損益計算書の本質
損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しなければならない。
包括主義を採用している日本版GAAPの損益計算書としては総収入と総費用を表示するというニュアンスが感じられるProfit and loss statementのほうがしっくりくるかなと思います。
アメリカは当期業績主義を採用
それに対して、アメリカでは現在においては包括主義損益計算書となっていますが、もともとは当期業績主義が採用されているとされます。
当期業績主義を採用していたUS-GAAPの損益計算書としては計算上の利益を表示しているというニュアンスがあるIncome Statementのほうがしっくりくるかなと思います。
タイトルで準拠会計基準が判別できる?
なお、日本企業が英語で損益計算書を公開する際にIFRSに準拠している場合にはIncome Statementと表記し、日本語の損益計算書の表示名を英文簿記で英語に変換しただけの場合にはProfit and loss statementと表記するはずです。
したがって英文の損益計算書のタイトルから準拠している会計基準を判断できるという判別方法が多分有効そうです。