労働装備率とは
労働装備率とは有形固定資産を従業員数で除したものです。従業員一人当たりどの程度設備投資がされているかを示したものです。
本来はマクロ経済学の指標
労働装備率を含む次の三つの指標は日本においてはなぜだか生産性に関する財務分析指標だとされます。
しかしこれらは本来、マクロ経済学の分野で使われる統計指標です。GDPとかGNPといった指標を義務教育で誰しもが習ってるはずですが、労働生産性や労働分配率、労働装備率はそれら指標と併せて集計されて政府により公開されているものです。
また、そもそも政府が統計をとって公開している統計指標であるため後述するように、公表機関によって計算方法が異なります。
労働装備率は財務分析指標として意味がない
はっきり言いますが、ある会社の労働装備率が政府統計や業界標準値と比較して高かったり低かったりしてなんか意味あるんでしょうか?
労働装備率が高いほうが優れてる?
例えば同業他社と比較してその会社の労働装備率を高かったら優れていますか?それともその逆ですか?おそらくは労働装備率が高いほうがその会社はオートメーション化が進んでいると判断できるためにこの指標が使われていた歴史があるのではないかと思いますが、現代においてはどの会社も当たり前のオートメーション化が進んでます。事務作業ですら当たり前にパソコンが普及していて手作業で行う工程ってほとんどないです。
また、労働装備率を考慮して事務作業用のパソコンを最新鋭のものに買い替える必要ってあると思いますか?機械設備に関しても同様です。
固定資産は持たない経営が普通なのでは?
かつては新規に機械設備や自動車を導入する場合には購入するのが当たり前でした。しかし現代においては機械設備や自動車はリースだったりサブスクだったりシェアなどで必要な時に必要なだけ利用するほうが当たり前だったりしませんか?つまり有形固定資産を指標とする労働生産率はすごく時代遅れです。