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ROA (Return On Assets)=総資産利益率

ROAとは事業に投下されている全ての資産がどれだけ利益(リターン)を産みだしているのかを示す指標です。総資産利益率とも呼ばれます。

ROAは事業の効率性を示す指標としても知られており、「Return on Assets」と表記され、「リターン・オン・アセット又はリターン・オン・アセッツ」と読みます。


ROAの算式は次のとおりです。

ROAの算式(図解)



ROAの図解

ROAを図解すると次のようになります。


ROA図解



ROAの計算

当期純利益と総資産の金額を入力して計算ボタンをクリックするとROAが計算されます。


当期純利益 ROA
総資産


ROAは、10%程度だと「かなり優良」、5%前後だと「良い」、1〜2%程度で「普通」とされます。



ROAの統計データ(業種別平均)

経済産業省発表の平成26年企業活動基本調査速報(平成25年度実績)による業種別のROAの平均は次のとおりです。


24年 25年
全業種平均 1.7 3.1
製造業 1.8 3.8
卸売業 2.5 2.8
小売業 2.8 2.9

さらに詳細な統計データはこちら



ROAの分子の利益

ROAの算式の分子にどんな利益を使うのかにはいろいろな考え方がありますが税引後当期純利益を使うのが一般的です。

理由としては企業の事業活動は法人税等の社会コストを差し引いた後の実際に手許に残った利益の最大化を目的としているため、事業活動の効率性・収益性の判断も税引後ベースで行うべきだという考え方に基づきます。

税引後の当期純利益以外には、支払利息と法人税等を差し引く前の利益を使うべきとするという考え方もあります。その理由としては支払利息と法人税等を差し引く前の利益でROAを計算するとROAと借入金利とを比較することで財務レバレッジの有効度を判断しやすいためです。



ROA>借入金利

ROAが借入金利以上である場合は借入金利以上に利益を獲得できているため財務レバレッジ効果があるといえます。この場合には借入金を増やしてでも事業を拡大することが理論上効率的な判断となります。



ROA<借入金利

逆にROAが借入金利より低い場合は、事業の収益性が借入金利より乏しいことを意味するため理論上はさっさとその事業から撤退して借入金を返済すべきとなります。



 

ROAの分子の利益

ROAは売上高利益率×資産回転率へと分解することができます。



分解前のROA

ROAの算式(図解)



分解後のROA

ROAの算式の分解(図解)



ROAとROE

ROAに類似するものとしてROEがあります。ROEは、事業に投下されている自己資本が利益獲得にどれほど貢献したかを示す指標であり、分母が自己資本である点でROA(分母が総資産)と異なります。算式は以下のとおりです。

ROEの算式(図解)



ROAとROEの算式の違い

ROAとROEの算式の違いをざっくりと図解すると次のとおりです。

ROA(総資産利益率)
ROAとROEの算式の違い(図解)

ROE(自己資本利益率)
ROAとROEの算式の違い(図解)



ROAとROEどちらが重要か?

株主重視の経営のもとでは株主利益の最大化が命題とされるため、株主資本である自己資本を分母にするROEがROAより重視される傾向にあります。

しかし、ROEは借入金を増やして自己資本比率を下げることで意図的に高く見せることができるという欠点があります。

自己資本比率は、高ければ高いほど、会社の安定性・安全性という観点からは優れています。したがってROEは、株主資本の効率性を図る指標としては優れていますが、有利子負債の増加リスクと背中合わせであることから万能な指標と考えるのは少し危険です。

つまり、財務レバレッジをかけることで操作的に上昇させることができるROEは、指標の信頼度という面でROAに劣ります。

とはいえ、中小の同族会社であれば、利益をどんどん内部留保して自己資本を少しでも積み上げていくことが対銀行を考えた上でも良いとされますが、これが上場会社のように広く株主から出資を募っている会社の場合は、利益を事業に再投下せず内部留保ばかりするというのは、利益が配当されることを期待して出資してくれた株主に対する一種の裏切りです。

したがって、自己資本比率にしてもROEにしても、全ての企業に一律に良い悪いと杓子定規に財務分析指標をあてはめて評価しようとするのは間違いです。





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