
倒産危険シグナルを読み取る
倒産危険会社を見分ける、とはいっても100%完全に行うことはできません。企業活動にはさまざまなリスク要因があり、なかには為替変動や法規制といった会社の業績とは無関係のどうしようもない要因もあったりします。さらには、外部の人間では知りえない情報もあったりとそもそも外部分析には限界があるためです。
しかし、完全には見分けることができないとしてもある程度は選別を行うことが可能です。それは、倒産会社は倒産するべくして倒産しているからです。順調に業績をあげていた会社がある日突然倒産することはありません。なんらかの兆候が現れているはずです。そして、そのシグナルは決算書を読めばたいてい読み取ることができます。
株式市場に上場している会社であれば四半期ごとに会社の決算書を公表しています。以下、決算書の分析によるテクニカルな危険会社の見分け方をまとめてみました。
会社は、事業が赤字でも資金繰りがつけば倒産しませんが、黒字であっても資金繰りがつかなくなれば倒産します。これを俗に黒字倒産といいます。したがって、会社が倒産しないかどうかという安全性を判断するには、まず資金の安全性をみればよいことになります。資金さえ十分であればとりあえず倒産することはないと考えることができるからです。
そこで短期的な支払いを行いうるのに十分な資金があるかどうかがの判断は、ざっくりとした分析としては、貸借対照表の流動資産の合計が流動負債の合計を上回っているかどうか誰でも3秒くらいで判断できます。
すなわち、流動資産が流動負債を上回っていれば、短期的な支払原資が支払義務をまかなって余りあるという意味でその会社はひとまず安全であるといえます。
この流動資産が流動負債をどれほど上回っているのかを示す指標が流動比率です。(次ページに続きます)
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